挨拶
「あれっ?やっぱり、この近くに住んでいるの?」
彼の友人、と言うか知り合い程度の関係の男性と家の近くのコンビニで出会った。
「・・・まぁ(苦笑)」
前に駅で偶然出会った時、何だか嫌な予感がしてこの辺りには住んでいないと話してしまっていただけにばつが悪い。
「この前は、無料SNSサイトで知り合った友達のところに行くって言っていたよね。」
私の嘘などわかっていたかのように皮肉たっぷりの言葉。
返す言葉もない。
「家、どこ?」妙に強引な感じ。何か、気分が悪い。
「教える必要、ないと思いますけど。」ムッとして答えると、「まぁ、知っているけどね。」と、からかうように笑った。
一瞬、背筋が寒くなる。
「知っているってどういうことですか?」
彼の思いがけない言葉に、咄嗟に訪ねると、「だって、君のマンション、俺の住んでいるマンションの向かいだからね。」と、思いがけない返事が返ってきた。
「何度か挨拶くらいはしているんだけど。覚えてないんだ。」
言われてみると見たことがあったかもしれない。
今、住んでいるマンションのご近所さんは気軽に挨拶をしてくる人が多いので、正直いって、いちいち顔を覚えていない。
それに完全無料出会い掲示板でも結構色んな人に会ってるし似たような人も多いんだよね。
「ひどいなぁ。可愛い顔しているのに・・・。」
にこやかだった彼の表情が、一見してわかるくらい冷たい表情に変わる。
「私、急いでいますので・・・。」
私は、逃げるようにその場を去った。